- 著者
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王寺 賢太
- 出版者
- 東京大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2021-04-01
本研究では、フランス啓蒙期の政治思想史を、モンテスキュー、ルソー、ディドロにおける「立法者」問題に焦点を当てて描き出す。「立法者」問題とは、理想的な政治体の「(再)創設」という政治的行為の問題であり、三人の思想家において、その政治的行為の理想は、社会のあり方や政治体構成員の意志に基づく、自律的=再帰的な統治の回路を創出することに置かれた。まただからこそ、「立法者」は、成功の暁には自ら消滅すべき逆説的存在とされる。この逆説が示唆するのは、政治的自律の理想の実現の困難であり、その困難こそが、ルソーの「公民宗教」問題や、ディドロの「革命の連続」としての「歴史」の概念には見てとれるのである。