- 著者
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渡辺 千香子
本郷 一美
- 出版者
- 大阪学院大学
- 雑誌
- 挑戦的研究(萌芽)
- 巻号頁・発行日
- 2021-07-09
従来、古代西アジアのライオンは「インドライオン」と考えられてきた。しかし新アッシリア時代のライオン狩り浮彫には、異なる2種類のライオンが描き分けられ、ライオンの身体的特徴と連動して身体のサイズが異なることから、両者の違いは個体差ではなく、異なる亜種か品種であった可能性が浮上する。古代の文献には「平原生まれ」と「山生まれ」のライオンが登場し、ライオンを意味するシュメール語とアッカド語には2種類ずつの語彙がある。ここからこの地域のライオンが必ずしも単一種ではなく、未知のライオンが生息していた可能性が浮上する。本研究は古代西アジアのライオンの実態を、図像・文献・動物考古学の学際的視角から探究する。