著者
大野 眞男
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

近代日本の国語政策をG.Thomasによる純化論の観点から類型化した上で、明治期の国語調査委員会及び文部省による標準語政策は第一次世界大戦前のヨーロッパの帝国的国家語を志向した改革的純化論に当たるものとして位置づけられること、大正・昭和期以降の柳田国男を中心とする民俗研究における国語観は第二次世界大戦後のヨーロッパ新興国家の国語観を意識した民俗的純化論であったこと、さらに、標準語教育が破綻した学校教育現場で地域方言を郷土を象徴する教材としてとらえるようになったことを明らかにし、これらの民俗的純化論の姿勢が戦後の民主的な共通語政策の前提となっていったことを歴史的に明らかにした。

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https://t.co/XizubKN8Cu 純化論の観点から見た近代国語観の多様性に関する歴史的研究 「戦前期の『帝国教育』『郷土教育』『国語教育』等の教育関係中央誌の国語関係記事に加えて、すべての都道府県に設置された地方教育会において明治期から戦前期までに

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