- 著者
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大野 旭
- 出版者
- 静岡大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2010
本研究は、社会主義中国の中国人たちが 1949 年以降に国内に住む少数民族を対象におこなってきた大量虐殺の歴史を、文化人類学的手法に基づいて究明しようとするものである。中国政府と中国共産党は「民族の消滅」との理念を物理的にも実現するために 1959 年にチベットに侵攻し、チベット族虐殺事件が起こった。1966 年から 1976 年にかけてはまた、モンゴル族大量粛清運動(内モンゴル人民革命党員粛清運動)が発動された。そして、1975 年 8 月には雲南省ムスリム(回族)が大量虐殺される事件が発生した。この三つの大量虐殺事件は相互に連動し、そのまま中華人民共和国の建国後の歴史的歩みとも重なっている。本研究は現地において生存者たちから当時の状況について聞き書きをし、関連する第一次資料を収集し、公開できた。