- 著者
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皿井 舞
- 出版者
- 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2010-04-01
本研究のもっとも大きな成果は、これまでほとんど知られていなかった京都・神光院薬師如来立像をはじめとする平安時代前期の彫像を実査し、とりわけ本像が9世紀初頭の天長年間(824-834)頃に百姓がつくったものであることを明らかにしたことである。こうした市井の造像のありようを史料から裏付けることによって、官営工房作の像ばかりに注目されがちであった平安時代前期彫刻の多様性を考える手がかりが得られた。