- 著者
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池田 恵子
- 出版者
- 山口大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
日英同盟期の融合文化規範としてのスポーツに着目した。質実剛健、良妻賢母は日本における中等教育機関の教育理念に相当したが、それらは英国中流階級のエリート教育において理想とされた教育理念を媒介し、スポーツ教育と帝国主義との関わりを経由している。第二次世界大戦の勃発以前には、スポーツ教育を通じて英国規範を活用したにもかかわらず、ファシズム期には国粋主義的文化規範への昇華を意図し、国防体育が実践された。いずれも、近代国民国家形成期に日本的ナショナリズムを構築する上で、巧みに利用された外国の文化システムの援用であった。これらを複合的に融合することで日本独自のスポーツ的風土が醸成された経緯を説明している。