著者
近藤 昌夫
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

1860年代に発表されたドストエフスキーのペテルブルグ小説のうち、『地下室の手記』、『罪と罰』および『白痴』における物語と都市空間の関係を分析した。その結果この時代のロシアが、原古のロシアでも揺籃期のヨーロッパでもないあらたな理想郷を、ペテルブルクではなくモスクワに象徴される全ロシアに求めはじめたことが明らかになった。ペテルブルクは、転換期と言われる60年代後半にヨーロッパを自覚し、「ヨーロッパへの窓」の役目を終えたのである。このことは建築様式におけるネオ・ロシア様式の模索とも一致する。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな研究ありました:1860年代のドストエフスキーにおける文学と建築のトポロジー(近藤 昌夫) http://t.co/AUBnJWhhNy

収集済み URL リスト