- 著者
-
鈴木 秀之
- 出版者
- 京都工芸繊維大学
- 雑誌
- 挑戦的萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2011
大腸菌のバイオフィルム(BF)形成にスペルミジンが必須であることを示した。スペルミジンは菌体外から取り込んでも、菌体内で生合成しても、あるいは菌体外から取り込んだプトレッシン(Put)から合成してもいいことを示した。5つあるPutトランスポーターの遺伝子を1つずつ潰した菌株を作成し、Putを含む培地でBF形成を調べた結果、PlaPを欠損させた場合にBF形成が顕著に低下した。ところが、どのトランスポーターが欠損している株でも、菌体内のスペルミジン濃度に大差がないことから、PlaPはトランスポーターとして機能するのでなく、PlaPにPutが結合することがBF形成シグナルになると考えられた。