著者
南宮 湖
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2009年に出現した新型インフルエンザウイルス(A/H1N1/pdm)では、肥満患者における重症化の病態が新たに注目された。また、近年、肥満における慢性炎症とその免疫機構が注目されており、本研究では、肥満マウスウスモデルを用いて免疫学的検討を行い、インフルエンザウイルス感染において肥満が病態を重症化させる機序に迫ることを目的とした。肥満モデルマウスにインフルエンザウイルス(A/H1N1/PR8)を感染させると、通常マウスと比較して、有意に生存率が低下し、顕著な体重減少を認めた。感染後1日目、3日目、5日目でそれぞれ、気管支肺胞洗浄液中のウイルス量の増加が見られた。また気管支肺胞洗浄液の上清及び血清中の炎症性サイトカイン(TNFα,IFNγ)が、感染後1日目では、肥満モデルマウス群で低下していたのに対し、感染後5日目では、肥満モデルマウス群で顕著に上昇していた。また、肥満モデルマウスの病理組織を観察すると、インフルエンザウイルス感染前の定常状態で、気管支周囲に脂肪組織を認め、インフルエンザウイルス感染5日目には、気管支周囲に認めた脂肪組織の周辺に顕著な炎症細胞浸潤が見られた。以上より、肥満モデルマウスにおいて、感染初期では、免疫応答が惹起されず、インフルエンザウイルスが、より増殖していく一方で、感染後期においては炎症が遷延することで、病態の重症化に寄与していることが示唆された。今後、形質細胞様樹状細胞からのI型インターフェロン(IFNα.β)産生やマクロファージからの炎症性サイトカイン産生に注目して、肥満モデルマウス群で、インフルエンザウイルスの重症化機構に関して更なる解析を続けていく予定である。

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