著者
トレンソン スティーブン 上野 勝之
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、中世日本における密教と神道の交渉史を龍神信仰の観点から再検討した。中世日本では神祇信仰と密教思想は様々な形で結合し、その結果として中世神道の諸流が確立したが、その歴史的展開については未解決な問題が多く残っている。通説では、中世神道が初めて伊勢神宮の周辺に形成され、その後室生山や三輪山などほかの霊地へ広まったとされているが、本研究では、中世神道の言説において龍神信仰に関わる点が多い事実に着目し、そのために古来龍神信仰の聖地とされた醍醐寺の密教の観点から中世神道の様々な信仰を再考した。その結果として、中世神道が醍醐寺の密教から多大な影響を受けたということを明らかにすることができた。

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トレンソン スティーブン氏:醍醐寺竜神信仰の宝珠は仏母(仏眼または愛染明王)。醍醐寺の即位灌頂の本尊的存在は歓喜天ではなく宝珠の化身としての仏母(ダキニ天と教学上関係が深い愛染明王) https://t.co/n3eTXmsSLX
中世日本における密教・神道交渉史の研究 トレンソン スティーブン 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 「天皇と皇后はそれぞれ一字金輪と仏眼仏母の化身とされ……皇子は大日如来及び天照大神と同体とされた……」https://t.co/n3eTXmKuax

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