著者
豊川 裕之 草間 朋子 板井 悠二
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

体脂肪量を超音波皮脂厚計によって、被計測者に侵襲を与えることなく、推定する方法の確立を図っている。その推定値の誤差を規定するために、【^(40)K】計測法(ヒューマン・カウンタ法)とNMR診断法の人体断面像から脂肪量を推定する方法を基準として、超音波皮脂厚計法の推定誤差が約5%以内であることを明らかにした。NMR画像はまだイメージスキャナーで面積計算ができないので、目下、PC98型コンピュータで処理するソフト・ウェアの開発中である。したがって、【^(40)K】計測値だけを較正値として超音波皮脂厚法の誤差を算定した。その算定に用いた資料は、【^(40)K】法の68名(男34名,女34名)、超音波皮脂厚法の68名(【^(40)K】と同じ対象)の7ケ処の計測値である。なお、NMR画像は7名分の資料が得られている。体脂肪量;F(kg)=【α_1】・【X_1】+【α_2】・【X_2】+【α_3】・【X_3】+……+βただし、【α_1】,【α_2】,【α_3】・・・:性・・年齢別に推定される定数β:【α_1】・【α_2】・・に同じ【X_1】,【X_2】・【X_3】・・・:各部位C1,2,3,・・・)の皮脂厚値である。これに、性・年齢別に実測値を用い、(1)【^(40)K】計測値に近似させる、(2)変量(X)の数をなるべく少くすることを条件として検討した結果男性:F(kg)=0.556(上腕部皮脂厚)+0.094(腹部皮脂厚)-7.961(推定誤差:4.4%)であることがわかった。女性(30歳以下,30歳より上にわけた)についても2変量で約5%の推定誤差で推定できることがわかった。今後は、例数をふやし、性・年齢別の体型の変化にも注意を払った推定式を目標に改善を続けたい。

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