著者
大久保 等
出版者
八戸学院大学短期大学部
雑誌
八戸学院大学短期大学部研究紀要 (ISSN:21878110)
巻号頁・発行日
no.45, pp.16-29, 2017-12-22

宮沢賢治の詩『序』について、大乗仏教の求道者としての生き方を重視した、現代語解釈を試みた。『序』を要約すると、宮沢賢治は「生きている私という生命現象は、大きな生命の流れが輪廻を繰り返すこの世界の法則として、過去から仮定されていた現象である。その現世に、私は『心象スケッチ』という手法で書き記した詩を残して行く。その私が書き残したものは、厳密には、私が主張したい通りの正しい内容で他の人に伝わることはない。私と他の人には、『共通認識しか共有できない』という問題が存在する。いつかこの『共通認識しか共有できない』という問題は四次元研究の中で解明されるだろう。(その解明が成って、私の主張したい事が、初めて正しく他の人々に伝わるだろう)」、と云っている。
著者
藤邉 祐子 坂本 保子 羽入 雪子
出版者
八戸学院大学短期大学部
雑誌
八戸学院大学短期大学部研究紀要 (ISSN:21878110)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.31-40, 2018-03-30

本研究は母性看護実習終了後に学生が「命の尊厳」をどのようにとらえたかを分析し、実習指導の示唆を得る目的で行った。対象者は看護系短期大学生84名で、自由記述されたデータを内容分析した結果、4つのカテゴリーが見出された。学生は、実習を通して「命」の重みを学び、褥婦と新生児の看護を体験していく中で「自分も周囲の支えがあって成長してきた」と気づきを得られていた。また、医療における「看護師の役割」を再認識し、命の尊厳について問われることで、命に対する価値観を表現できていた。母性看護実習で学ぶことのできる生命の誕生、新しい命を育むという場面から、「命の尊厳」について考え学ぶことのできる教育や実習指導が重要であることが示唆された。