著者
坂本 保子
出版者
八戸学院短期大学
雑誌
八戸学院短期大学研究紀要 (ISSN:21878110)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.68-76, 2014-03-31

要約 母乳哺育継続を阻害する要因には、母親自身の心理ストレス反応が関連しているのかどうかを明らかにすることを目的とした。その結果、特性不安が高い得点の母親は、状態不安の得点が高いことがわかった。また母乳不足感と分泌量(rs=-.704,p<0.01)負の相関が認められ、母乳育児ストレス(rs=.646,P<0.01)正の相関が認められた。このことから母乳分泌量に関わらず、母乳不足感が母乳育児そのものにストレスを感じていることが明らかになった。特性不安の高い母親は様々な出来事に対しストレスを感じやすく母乳哺育継続が困難になる可能性があることがわかった。このことにより母乳育児継続へのサポート、精神的サポートが、必要であることが示唆された。
著者
小沢 久美子 坂本 弘子 市川 裕美子 下川原 久子 久保 宣子 工藤 美恵子 木立 るり子 五十嵐 世津子 坂本 保子 木村 緑 田口 千尋 一戸 とも子 木村 千代子 笹竹 ひかる
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1_37-1_46, 2018

目的:看護学生のSNSの利用状況とITリテラシー教育経験および道徳的感受性との関連を明らかにすることを目的とした。<br>方法:A県内における看護師養成機関10校の在学生を対象に,質問紙調査を行った。質問内容は,基本属性,SNS利用の実際,ITリテラシー教育の経験,改訂道徳的感受性質問紙日本語版とした。<br>結果:92.8%がSNSを利用し,82.3%がほぼ毎日利用し,90.0%がLINEを利用し,クラスメイトとの連絡手段に多く利用していた。SNSへの問題認識は42.5%で,ITリテラシー教育経験,SNSの被害経験と関連があった。<br>結論:ITリテラシー教育は情報モラル教育告示後のSNSの使い方への影響が示唆された。道徳的感受性は,看護教育課程別に差が認められたが,教育背景や経験,生活環境によるのかの判断はむずかしく,また,SNSの使い方との関連も明確にならなかった。
著者
藤邉 祐子 坂本 保子 羽入 雪子
出版者
八戸学院大学短期大学部
雑誌
八戸学院大学短期大学部研究紀要 (ISSN:21878110)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.31-40, 2018-03-30

本研究は母性看護実習終了後に学生が「命の尊厳」をどのようにとらえたかを分析し、実習指導の示唆を得る目的で行った。対象者は看護系短期大学生84名で、自由記述されたデータを内容分析した結果、4つのカテゴリーが見出された。学生は、実習を通して「命」の重みを学び、褥婦と新生児の看護を体験していく中で「自分も周囲の支えがあって成長してきた」と気づきを得られていた。また、医療における「看護師の役割」を再認識し、命の尊厳について問われることで、命に対する価値観を表現できていた。母性看護実習で学ぶことのできる生命の誕生、新しい命を育むという場面から、「命の尊厳」について考え学ぶことのできる教育や実習指導が重要であることが示唆された。