著者
浅尾 秀樹 須田 力
出版者
北海道女子大学北方圏生活福祉研究所
雑誌
北方圏生活福祉研究所年報 = Bulletin of Northern Regions Research Center for Human Service Studies (ISSN:1342761X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.23-27, 1998

「近くて遠い国」ロシア,サハリンと北海道の中高齢者を対象とした比較研究を始めて6年が経過した。前半の3年では共同研究体制づくりが課題であり,後半の3年はユジノ・サハリンスク市の住民を対象とした調査・測定やシンポジウムなどによる研究活動であった。ロシア国立ユジノサハリンスク教育大学(現サハリン大学)の体育教員スタッフとの研究交流を積み上げて今日に至った。これらについて, AOC生涯学習センター公開講座「生活を科学する(雪国の人々の健康)」などで報告してきたが,これまでの成果と今後の展望について紹介する。I,生活福祉に立った研究の推進2,共同研究体制の確立3,北海道女子大学生涯学習システム学部の役割と今後の展望
著者
井口 光雄
出版者
北海道女子大学北方圏生活福祉研究所
雑誌
北方圏生活福祉研究所年報 = Bulletin of Northern Regions Research Center for Human Service Studies (ISSN:1342761X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.15-20, 1997

北欧の小国フィンランドは, 1917年に独立した比較的若い国である。しかし背景には, 7百年以上にもわたる苦難の歴史があり,とりわけ隣国ロシアとの聞では,独立後も言語に絶する厳しい関係が続いた。第2次大戦以降,フィンランドはこうした過去の歴史に区切りをつけようと,国民が心を一つにして国の発展に努めた。そして90年代初頭の景気後退の波も何とか乗り切り,今日では新しく発足したヨーロッパ連合の模範生ともいわれるまでに成長した。北海道とフィンランドは,北国の生活文化や社会福祉の先進国に学べと1970年代以降,急速に交流が深まった。社会福祉をはじめ学術,文化,スポーツそれに自治体聞の交流など非常に幅広い。更に近年は,新たな地域起こしに結び付く産業クラスターや貿易の拡大などへと進展している。本稿は,フィンランドの歴史を皮切りに今日の北海道とフィンランドとの関わりを伝え,社会福祉先進国フィンランドを支えるその素顔を紹介,若干ではあるが将来の問題に言及する。