著者
小西 芳信
出版者
南西海区水産研究所
雑誌
南西海区水産研究所研究報告 (ISSN:0388841X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.p103-121, 1983-03
被引用文献数
4

1976年以降薩南海域にマイワシの産卵場が形成されている。この海域におけるマイワシの発生と補給状態を把握するために,1976年以降毎年1,2月に卵・稚仔調査を行なっている。ここでは,1976年から1981年の6ヵ年の薩南海域におけるマイワシの産卵場の拡大過程を卵・仔魚の分布から記述し,併せて黒潮の沖合外側域における卵・仔魚の分布の実態について述べた。これらのことを要約すると,以下のようになる。1)1976年から1981年の6ヵ年に薩南海域におけるマイワシの親魚群は,薩摩半島から大隅半島に至る鹿児島県沿岸域,大隅海峡域,屋久島,種子島の周辺域に分布していた。2)1976年にはマイワシ親魚群の主分布域は薩摩半島から大隅半島に至る沿岸域に限っていたが,その後年々薩南海域の南部に拡大している。そして,1979年以降親魚群は屋久島,種子島の周辺域に集群し,さらに量的にも増加していると思われる。3)このようなマイワシ親魚群の分布の変化は流況とともにマイワシ卵・仔魚の分布に影響している。すなわち,1976-1978年の3ヵ年には初期卵は薩摩半島から大隅海峡に至る沿岸域に多く,さらに発生の進んだ卵・仔魚は東方に輸送されていた。1979年には卵の分布量は親魚群のそれよりかなり少なかったが,卵・仔魚は東方に輸送されていた。1980,1981年には卵・仔魚は屋久島種子島の南東水域から黒潮によって北東の下流域へ運ばれていた。4)卵・仔魚が黒潮によって下流に運ばれる過程でそれらの一部が黒潮の沖合外側域へも輸送されていた。とくに,1981年には屋久島,種子島の南東水域で産出された仔魚が日向灘東方にみられる黒潮反流のほぼ全域で分布していた。
著者
斉藤 雄之助
出版者
南西海区水産研究所
雑誌
南西海区水産研究所研究報告 (ISSN:0388841X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.p51-68, 1980-03
被引用文献数
3

1976,1977年に瀬戸内海関係14府県の水産試験場ならびにその他関係機関および南西海区水産研究所が沿岸海域藻場調査の一環として実施した藻場干潟分布調査の潜水坪刈調査の結果を用い,瀬戸内海域およびその周辺海域におけるホンダワラ科藻類の分布特性について検討した。(1)この調査においてホンダワラ科の29種の藻類が採集された。(2)調査海域を大阪湾,播磨灘,備讃瀬戸,燧・備後灘,安芸灘,広島湾,伊予灘,周防灘東部域,同西部域,豊後水道,豊後水道外海域,四国南岸域,紀伊水道外海域,紀伊水道の14海域に区分し,各種の各海域における出現率を検討した結果,これらの海域は出現率の類似性からA: 瀬戸内海,B: 紀伊水道およびその外海域,C: 豊後水道域,D: 豊後水道外海域,E: 四国南岸域の5つの群にまとめられ,また瀬戸内海域はa: 大阪湾,播磨灘,b: 備讃瀬戸,c: 燧・備後灘,安芸灘,伊予灘,周防灘東部域,d: 広島湾,周防灘西部域の4つの群にまとめられた。この群をなす区域にはそれぞれ特徴的ないくつかの代表種をもつホンダワラ科藻類の群集が存在することが認められた。(3)各区域毎に種相互の混生の程度を検討した結果,アカモク,ヨレモク,ホンダワラ,ヤツマタモク,ノコギリモクの5種は相互に混生しやすく,またヤツマタモク,ノコギリモク,イソモクの3種間,ネジモクとトゲモク,トゲモクとヨレモクの2種間でも相互の混生の割合が高いことが認められた。(4)検討結果を総合して,アカモク,ハハキモク,フシスジモク,ジョロモク,マメタワラは内湾的性格のより強い種,ネジモク,ナラサモ,トゲモク,タマナシモク,ツクシモク,ナンカイモク,コブクロモク,ヒユウガモク,ヘラモク,ヒジキ,ヤツマタモク,ノコギリモク,オオバノコギリモク,ヨレモク,オオバモク,イソモクは外洋的性格のより強い種であると考えられた。
著者
福原 修
出版者
南西海区水産研究所
雑誌
南西海区水産研究所研究報告 (ISSN:0388841X)
巻号頁・発行日
no.22, pp.p47-57, 1989-03
被引用文献数
8