著者
前野 浩太郎
出版者
国立研究開発法人国際農林水産業研究センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

サバクトビバッタの母親は群生相化すると産卵数を減らす代わりに、大型の卵を産むことが知られており、本申請者はこの相変異が関係した繁殖能力の生理・生態学的研究に従事してきた。その中で、大型の卵から孵化した幼虫の方が小型のものよりも飢餓条件に強いことなどを明らかにしてきた。本種の生息地であるアフリカのサハラ砂漠で行ったフィールドワーク中に雌成虫が産卵する現場に遭遇した。一連の観察の中で、どのように群生相が行動し、交尾・繁殖しているのかを調査した。
著者
中村 達 古川 誠一
出版者
国立研究開発法人国際農林水産業研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

寄生蜂が様々な方法で寄主の免疫作用に対抗し、寄生に成功するのが知られているのに対して、同じ捕食寄生性昆虫である寄生バエについてはほとんど研究されていない。本研究では、ヤドリバエがどのように寄主免疫作用をくぐり抜けて寄生成功するのか明らかにするため、寄主体内での幼虫周辺や寄主の変化について経時的に調査した。寄主に侵入後、ハエ幼虫はバリア構造物と名付けた寄主組織からなる構造物に包囲されることがわかった。このバリア構造物は内側が寄主の血球由来、外側が脂肪体細胞由来で、ハエ幼虫はこの構造により、寄主によるメラニン化などの免疫反応から逃れていると考えられた。