著者
德永 光俊
出版者
大阪経大学会
雑誌
大阪経大論集 = Journal of Osaka University of Economics (ISSN:04747909)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.205-218, 2016-01

本稿では,日本農法史からみる農業の未来についてお話ししたいと思います。最初に農業をどのように見ていくか,次いで江戸農書の概要と特徴,そして日本農法の大まかな流れをお話しします。自然の循環に従う天然農法から,人間の力で自然を変えていこうとする人工農法,そして自然の循環を人間の力で再復興しようとする,天然と人工を融合させた天工農法へという流れです。さらには現在の状況と有機農業の位置づけをお話しして,最後にこれからの日本農業の展望を私なりに述べてみたいと思います。