著者
大澤 正嗣
出版者
山梨県森林総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ヤノナミガタチビタマムシの生活史と環境を利用した被害軽減について研究を行った。本害虫の生活史を詳細に知るため、野外調査を実施し、産卵から成虫になるまでの時期と期間を明らかにした。本害虫の寄生によりケヤキは初夏に早期落葉を起こす。その落葉の中に本害虫の終齢幼虫が入っており、この早期落葉から本害虫が羽化、脱出するまでに9~14日かかる。落葉期間はおよそ25日であり、この間に2~3回落葉を集め除去することで、本害虫を取り除くことができることを明らかにした。また、本害虫の個体数は早期落葉時期に雨が多いと減少することとそのメカニズムを明らかにした。このことは本害虫の被害予測に役立つと思われる。