著者
勝田 吉彰
出版者
日本トラウマティック・ストレス学会
雑誌
トラウマティック・ストレス : 日本トラウマティック・ストレス学会誌 (ISSN:13480944)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.82-87, 2012

震災直後よりツイッターでトラウマケアの情報発信を行い,得られた反応を公式リツイート数を指標に分析し一般社会で、求められる情報のニーズ、把握を行った. 「急性期反応への寄添い」「サバイパーズギルト」「グリーフケア」「子ども・障がい者」ヘ高い関心が向けられたのに対し「アルコール」「性」「怒り」への関心は低下した. 「当事者・周囲への働きかけ」に対し「自分自身への対処法」の関心は低く,また,まとまった大量の情報を提示しても関心は示されないなど, リスクコミュニケーションへの留意点が浮かび上がった.さらに時期的には震災発生後第1~3週までは高い関心が持続したが第4週以降は関心が低下したことから,いかに早く発信態勢を立ち上げ,この期間内に知識を普及させるかが勝負になると思われた.