著者
近藤 由香 渋谷 優子 坂井 水生 大木 友美 奥山 貴弘
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_101-1_107, 2005-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
10

本研究は看護系大学院修士課程学生の入学志望動機と入学目的およびその関連要因を明らかにした。 1.学生は看護系4年制大学を卒業し,看護師実務経験のある未婚者が多かった。 2.入学志望動機は,勉強の必要性を感じた者が多かった。 3 .入学志望動機の比較においては,「仕事に疑問を感じた」は,30歳以上に,「親・友人から勧められた」は30歳未満に有意に高率であった。 4 .実務経験の有無による入学志望動機の比較においては,「幅広い視点で看護を見直したかった」,「仕事に疑問を感じた」は,実務経験有りに,また「親・友人から勧められた」は,実務経験無しに有意に高率であった。 5.入学目的においては,「研究能力を身につけること」や「博士課程への進学」は,修了後,教員・研究職を希望する者に多くあげられ,「専門領域を深めること」や「専門看護師の資格を取得するため」は,臨床等現場で働くことを希望している者に多くあげられた。
著者
大木 友美:筆頭著者 水谷 郷美 城丸 瑞恵
出版者
昭和大学保健医療学部
雑誌
昭和大学保健医療学雑誌 (ISSN:1349029X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.45-49, 2012-08

A看護系大学では、成人看護学実習(周手術期)における学生の学びを深め共有させるために、15日間ある実習期間中の10日目に学内でデモンストレーション(以下デモ)「個別性を活かした看護援助」を実施している。今回、2010年9月~2011年1月に実施した学生102名に質問紙調査を行い、「デモ実施までの準備状況」「デモでの学び」「デモの必要性」「デモ実施の困難性」などについて回答を求めた。結果、準備状況については多くの学生がデモ前に周手術期の看護ケアを経験する機会を得ていた。デモによる学びは約9割の学生が実感していたが、実習期間中にデモが必要であると答えた学生は約4割にとどまった。デモ実施の困難性については、「とても難しい」と答えた学生が3%、「やや難しい」が38%、「簡単」が4%、「どちらとも言えない」が56%であった。「とても難しい」「やや難しい」と答えた群(以下A群)と、「簡単」「どちらとも言えない」と答えた群とで、デモ実施までの準備期間を比較したところ、A群のほうが有意に長かった。
著者
小笠原 春香:筆頭著者 大木 友美 井原 緑
出版者
昭和大学保健医療学部
雑誌
昭和大学保健医療学雑誌 (ISSN:1349029X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.80-86, 2013-03

消化器癌術後患者への食事指導の実際と看護師の認識を明らかにすることを目的に、A病院の消化器外科病棟に勤務する臨床経験3年以上の看護師5名を対象に半構成的面接を行った。内容分析の結果、消化器癌手術後の食事指導の実際として、【患者に合わせた時期とパンフレットの使用】【患者の気持ちに寄り添った指導】【患者に合わせた指導場面の設定】などのカテゴリーが抽出された。また、食事指導に対し看護師は、業務の中で【優先業務は生命・安全】と考えている一方で、【食事指導への思いと現実のギャップ】や【したいけどできない現実に対する後悔】が生じており、満足のいく食事指導ができない《介入できないジレンマ》を感じていることが分かった。