- 著者
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菱川師宣 画
- 出版者
- 本問屋
- 巻号頁・発行日
- 1678
菱川師宣画の吉原案内記。延宝6年(1678)3月、江戸本問屋板、大本1冊。序に「それ此道といふはしれるもおろか、しらさるもなをおろかなり」と述べ、絵と詞書の協調によって、読者を吉原の艶麗な世界へと導く。各見開きは、最上段に遊女の家紋を6図ずつ掲示し、2段目を格狭間風に縁取りして詞書を記し、3段目の全体の3分の2ほどの紙面に絵を描く。詞書は、吉原の由来、浅草橋その他からの船賃、山之宿から諸方への駄賃、浅草観音、観音裏門からの道、金竜山、日本堤、船道、どろ町、大門口、つほね、さんちや、かうし、あげや行、あげや、きやうしや・ぎう・かぶろ等から成る。詞書は、吉原の案内記として委曲を尽くした内容で、絵も、客と遊女の対面を軸に廓の様子を興趣豊かに描出している。(鈴木淳)