著者
鵜飼 渉 辻野 華子 杉村 政樹 木川 昌康 田山 真矢 石井 貴男 古瀬 研吾 廣瀬 奨真 橋本 恵理 澤田 いずみ 山本 武志 白鳥 正典 河西 千秋 相馬 仁
出版者
札幌医科大学医療人育成センター
雑誌
医療人育成センター紀要
巻号頁・発行日
no.9, pp.35-43, 2018-03

精神科教室セミナーを終えた懇親会で,演者としてお招きした大学教授のA 先生から,突然,"先生も扁桃体クラブの会員なのですね(笑)。"と,言われ驚いたことがある。若くて優秀なその先生に,大変やさしい笑顔で話しかけられ,固く握手までしてもらったと記憶している。"扁桃体クラブ"という"人の集まり"が存在するのかどうか私は知らない。しかし,それがもし"会員制"であったなら,私はぜひ会員の皆様との集いに参加してみたいと思う。私たちはこれまで,精神疾患における,対人コミュニケーション能力をはじめ,種々の社会的な認知機能障害の脳病態の解明を目指す研究を進めてきたが,その観点からは,"扁桃体クラブ"という言葉にはとても魅力的な響きがある。ここでは,近年,家庭,学校,職場で起きている,いわゆる"コミュ障"(コミュニケーション障害の略語とされている)問題を越えていくためにも,本題の"ディープコミュニケーション"の脳機能に関連する知見を集めてみた。
著者
吉田 幸一
出版者
札幌医科大学医療人育成センター
雑誌
札幌医科大学医療人育成センター紀要 = Journal of center for medical education Sapporo Medical University = Journal of center for medical education Sapporo Medical University
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-3, 2018-03-31

大学の授業と言えば、大きな教室に大勢の学生をあつめて教師が話しをする講義が思い浮かぶ。講義の長所は、一度に多くの学生に対して包括的に知識を伝えることができる点である。しかし、講義形式の授業にはいくつかの問題が指摘されている。学生にとって、講義は教師の話を聴いてノートをとるという受け身の授業である。もし、その授業に興味がない、学ぶ意欲がないならば、授業は成り立たない。一方向性の教授法であるため、学生の集中力が続かなくなり、おしゃべりや授業に関係ないことをはじめる。教室後方の座席に、授業を聴くことに積極的でない学生が集まる。これでは、授業の効果がなかなかあがらないだろう。本学の教養科目の授業の多くは、大きな教室に100 名ほどの学生を集めて講義形式で行われる。ここでは、医学部1年生を対象にした生物学の講義をとりあげ、学生が着席する教室内の座席位置と成績の関係について述べる。教室内の座席を教壇からみて前方群、中央群、後方群に分けたとき、学生は毎回の授業においてほぼ同じ群内の座席に着席する。成績は、授業がすべて終わった後でおこなう定期試験で評価した。後方群の座席にすわる人は前方群や中央群の座席にすわる人に比べて、得点が有意に低い。クラス全体の1/4 からなる成績下位層は、その6 割が後方群の座席の人である。また、2 年次の成績を追跡すると、1 年次後方座席の人は2 年次も成績が振るわないことが多い。座席が教室後方に固定すると、成績不振におちいる恐れがある。後方座席のリスクを、暗黙あるいは無意識ではあるが多くの学生や教員が知っている。この問題が身近で起きることを改めて認識し、どのように向き合うかを考える。
著者
鵜飼 渉 辻野 華子 杉村 政樹 木川 昌康 田山 真矢 石井 貴男 古瀬 研吾 廣瀬 奨真 橋本 恵理 澤田 いずみ 山本 武志 白鳥 正典 河西 千秋 相馬 仁
出版者
札幌医科大学医療人育成センター
雑誌
札幌医科大学医療人育成センター紀要 = Journal of center for medical education Sapporo Medical University = Journal of center for medical education Sapporo Medical University
巻号頁・発行日
vol.9, pp.35-43, 2018-03-31

精神科教室セミナーを終えた懇親会で,演者としてお招きした大学教授のA 先生から,突然,“先生も扁桃体クラブの会員なのですね(笑)。”と,言われ驚いたことがある。若くて優秀なその先生に,大変やさしい笑顔で話しかけられ,固く握手までしてもらったと記憶している。“扁桃体クラブ”という“人の集まり”が存在するのかどうか私は知らない。しかし,それがもし“会員制”であったなら,私はぜひ会員の皆様との集いに参加してみたいと思う。私たちはこれまで,精神疾患における,対人コミュニケーション能力をはじめ,種々の社会的な認知機能障害の脳病態の解明を目指す研究を進めてきたが,その観点からは,“扁桃体クラブ”という言葉にはとても魅力的な響きがある。ここでは,近年,家庭,学校,職場で起きている,いわゆる“コミュ障”(コミュニケーション障害の略語とされている)問題を越えていくためにも,本題の“ディープコミュニケーション”の脳機能に関連する知見を集めてみた。
著者
鈴木 健史 三瀬 敬治
出版者
札幌医科大学医療人育成センター
雑誌
札幌医科大学医療人育成センター紀要 = Journal of center for medical education Sapporo Medical University = Journal of center for medical education Sapporo Medical University
巻号頁・発行日
no.8, pp.17-23, 2017-03-31

医学部において、生物非受験で入学する新入学生の割合が高いことが問題になっている。そこで本学において実際にどの程度の新入学生が生物非受験者で、彼らの備えている生物知識がどの程度のレベルなのかを調査した。その結果、高校で生物をまったく履修していない新入医学生が少なくとも全体の25%程度もいることが明らかになった。さらに、高校で「生物基礎」を履修したとする学生もその大半がほとんど勉強していないと答えており、これをあわせると中学卒業レベルの生物知識しか持ち合わせていない学生が、医学部新入学生の半分近くもいることが明らかになった。彼らの成績の動向を、カリキュラム改編の影響を含めて考察し、高校生物未履修の新入医学生にどのような対応をすべきかを論考した。
著者
傳野 隆一 三瀬 敬治 嶋田 哲朗 三浦 良正 倉橋 由木子 瀬上 朋宏
出版者
札幌医科大学医療人育成センター
巻号頁・発行日
2011

入学者選抜試験には、作間ミス、雪害による交通の乱れ、インフルエンザの流行など様々な不測の事態が考えられる。今回、平成21年4月にメキシコ、米国で発生した新型インフルエンザの流行が平成22年度入試に及ぼした影響について検証した。政府は、新型インフルエンザ発生を国家の危機と認識し、文科省は各国公立大学に「平成22年度入学者選抜に係る新型インフルエンザの対応方針」の通達を出した。この方針に従って本学も私費外国人留学生試験を除く全ての選抜試験(保健医療学部推薦入学試験、医学部推薦入学試験、医学部・保健医療学部前期日程試験)において本試験の他に追試験を実施した。追試験を実施するにあたり、追試験問題の作成、試験会場・人員・予算確保など様々な問題に対処しなければならなかった。しかし、幸いにも新型インフルエンザおよび類似症状による追試験実施者は一人もなく全試験日程を終えることができた。