著者
小暮 克哉 Katsuya KOGURE
出版者
桜美林大学大学院大学アドミニストレーション研究科
雑誌
大学アドミニストレーション研究 (ISSN:2185968X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.53-66, 2011

本研究は、昨今の大学基金を論じる論文の多くが、海外の事例紹介や、一部の国内外の大学の比較である点に問題を見出し、国内の大学では基金の運用について、どういった取組みを行っているかを調査するために、国立大学法人の基金規程等を数値化し、国立大学法人の現状分析を試みた。 調査対象は2010年9月1日現在に大学公式webサイトに基金規程等を公開している37国立大学法人45基金とし、基金の原資、使用目的、専門委員会の構成員の属性などを抽出し数値化することで、主に「情報公開」と「説明責任」の視点から論じたものである。また、国内の先進的な取組み事例を紹介するなど今後の大学基金への示唆を行った。
著者
アレバラ ティモ 舘 昭 Timo AARREVAARA by]TACHI Akira [translated
出版者
桜美林大学大学院大学アドミニストレーション研究科
雑誌
大学アドミニストレーション研究 (ISSN:2185968X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-10, 2011

本論文は、フィンランドの大学システムに起きている変革を取り上げ、2010年から施行の新しい大学法における構造的な展開の、中心原理を明らかにすることを意図している。フィンランドは日本よりやや小さい国土に520万人の人口を持ち、高等教育機関には大学20校とポリテク29校がある。これまで大学はすべて国家行政の一部であったが、この改革によって公法による法人か私法による財団になる。主な資料としては2009年7月成立の大学法とその前文を使用し、分析枠組として起業家的大学の概念を用いている。この改革はフィンランドの大学に、起業家精神の促進と説明責任の向上による、運営文化の変革の機会を提供することになる。