著者
眞壁 幸子
出版者
秋田大学医学部保健学科
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.72-76, 2008

7年間英国で看護業務に携わった経験から英国における医療職の労働衛生管理について紹介する. 英国では, 勤務体制がフレキシブルで, 育児へのサポートも充実している. 職員の卒後教育においては病院内でのトレーニングが十分であり, 働きながら大学へ行くことのサポート体制もある. 医療に関わるリスクを避けるための配慮はもちろんのこと, 健康を相談できる部署やスポーツの設備も整っている. 心理面への配慮としてカウンセリングやキャリアアップのための相談窓口, 人種や文化的違いに対する差別への配慮も行われている. 職員の経済面への配慮として通勤のためのローンや住宅ローンなどがある. このようなことから, 日本でも, 燃え尽き症候群や離職者を減らすためにも組織や国家レベルで積極的に医療職の労働衛生管理を本格的に実施する必要があると考える.This paper reports on occupational health management in England, especially in the NHS (National Health Service) based on my 7-year working experience for the NHS in England. In the NHS, workingshifts are flexible and there is significant childcare support. There is in-house training and support for employees studying towards degrees while at work. Besides recognition of occupational hazards, staffs are also available to consult on other health matters and exercise facilities are provided. For mental health, there are contacts available for counseling and career development. Efforts are also made to eradicate discrimination in the workplace. Financially, interest-free loans are available for commuter season tickets,as well as governmental home loans. This report suggests that in Japan, in order to reduce burn out syndrome and staff turnover in hospitals, it is important to establish appropriate occupational health management at governmental and hospital organization levels as in England.
著者
石井 良和 石井 奈智子 林 千栄子 Ishii Yoshikazu Ishii Nachiko Hayashi Chieko
出版者
秋田大学医学部保健学科
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.26-33, 2007-10-01

本研究では, 目的的課題がフロー経験に与える影響とLocus of Control や興味といった個人的要因の関連性を検討した. 59名の対象者を交互に実施した順に目的群と無目的群に分け, 目的群には被験者が選択したパーラービーズ作品を完成させるという課題を行わせ, 無目的群にはパーラービーズを盤の上に置く課題を行わせた. その結果, 目的群においてより高いフローが経験され, 各々の課題遂行後の両群にはフローと興味間に有意な相関を示し, 無目的群の中の多くの被験者がそのグループの平均よりも能力水準を高く, また挑戦水準を低く認識する「不安」という感情カテゴリーに属することが示された. 実際に課題を完遂させるという経験は興味とフロー経験との関係を明確にさせる可能性を示唆し, 無目的課題は否定的感情をもたらす可能性を示唆した.