著者
河上 正秀 河上 正秀
出版者
筑波大学人文社会科学研究科哲学・思想専攻
雑誌
哲学・思想論集 (ISSN:02867648)
巻号頁・発行日
no.30, pp.1-14, 2004

はじめに 実存思想をめぐっては多岐にわたる批判的論議が交わされてきた。またその論議の多様性がこの思想のもつ息の長さを示してもいる。しかしあらためていえば、実存という言葉によって何かが論議され、何かが捨象され、過去のものになったのかという問いについては、必ずしも明確にされてこなかったようにも見える。 ...