著者
樋口 鉄美
出版者
農林省蠶絲試驗場
雑誌
蚕糸試験場彙報 (ISSN:03853594)
巻号頁・発行日
no.131, pp.p55-64, 1988-01

軽量小型なジグザグエンドレス方式の索道装置を養蚕における搬送手段に導入し,これを実用化するための応用技術について2,3検討し,次の結果を得た。1.索張りに必要な滑車の取り付け用の支柱は果樹柵用の鋼製パイプ支柱が適当であり,設置作業も簡便であった。2.滑車取り付けの台付きワイヤロープを化繊ロープに替え"もやい結び"の技法を応用したところ滑車取付けが容易となり資材費も安くなった。3.台付きロープの固定に"とっくり結び"の技法を導入することにより,シャックルを省くことができ作業が簡便になった。4.廉価なバインダ用結束ひもで荷を循環索に吊す方式を導入して荷吊りが容易になった。また,バインダ用結束紐は養蚕作業における荷重,使用頻度では十分使用に耐えることが分かった。5.荷掛け装置にほだ木搬送の荷かけ技法を取り入れることにより運転しながら荷掛けを続行することができた。6.動索に紐で吊した荷を鎌で自動的に切り落とす荷下ろし装置を試作し,縦横の揺れ防止装置を取付けた。この改良によって荷吊り紐の切断ミスを殆どなくすことができた。7.循環索の適正張力を荷の垂下量で求める早見表を作成し,循環索張力の調節作業を簡易化することができた。8.循環索の速度を1.2km/hr(最低)としたとき,索道で対10箱の1回給桑量600kgを蚕座に配る時間は2人作業で約20分であり,循環索速度を速めることにより,さらに能率化することが可能である。9.小型索道装置は蚕舎内または建物間の養蚕用の資材の搬送に有効に利用しうることを実証試験で確かめた。
著者
塩川 晴寿 角田 文雄
出版者
農林省蠶絲試驗場
雑誌
蚕糸試験場彙報 (ISSN:03853594)
巻号頁・発行日
no.104, pp.p1-6, 1977-01
被引用文献数
1

数aから数haの紋羽病地の土壌消毒を安全かつ高能率に行うため,四輪トラクタ(23PS)に装着できる土壌消毒機を開発した.本機はトラクタ中央部右側に装備する噴射装置と三点リンクでけん引するサブソイラおよびちん圧装置の3部からなるもので,トラクタの後輪駆動で作動する噴霧装置から圧送されるクロールピクリンは,深さ40cmまで切開して進みサブソイラ背面から走行30cm毎に地中20cmと40cmの2段に噴射され,サブソイラで初期膨軟化された土壌は,ちん圧装置で圧密し,ガス飛散を防止する機構となっている.
著者
斎藤 金兵衛
出版者
農林省蠶絲試驗場
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-13, 1959 (Released:2012-08-30)
著者
塩川 晴寿 角田 文雄
出版者
農林省蠶絲試驗場
雑誌
蚕糸試験場彙報 (ISSN:03853594)
巻号頁・発行日
no.104, pp.p1-6, 1977-01
被引用文献数
1

数aから数haの紋羽病地の土壌消毒を安全かつ高能率に行うため,四輪トラクタ(23PS)に装着できる土壌消毒機を開発した.本機はトラクタ中央部右側に装備する噴射装置と三点リンクでけん引するサブソイラおよびちん圧装置の3部からなるもので,トラクタの後輪駆動で作動する噴霧装置から圧送されるクロールピクリンは,深さ40cmまで切開して進みサブソイラ背面から走行30cm毎に地中20cmと40cmの2段に噴射され,サブソイラで初期膨軟化された土壌は,ちん圧装置で圧密し,ガス飛散を防止する機構となっている.
著者
亀山 多美子
出版者
農林省蠶絲試驗場
巻号頁・発行日
no.111, pp.169-182, 1979 (Released:2011-03-05)
著者
岩田 益 内田 信
出版者
農林省蠶絲試驗場
雑誌
蚕糸試験場彙報 (ISSN:03853594)
巻号頁・発行日
no.122, pp.p43-54, 1984-10

夏切後,夏肥と追肥の施肥割合(春4:3:3また春4:5:1)および収穫形式(初秋中間伐採,初秋,晩々秋伐採,晩秋70cmおよび90cm中間伐採)を組合せ,一ノ瀬とみなみさかりの2品種を用い植付3年目から3か年試験を行い,枝条の生長と収量に及ぼす影響を検討した。なお肥料は10a当たり窒素30kgを化成肥料(16-10-14)で,稲わら500kgを土中堆肥で施用した。大要は次のとおりである。1.収穫当日における最長枝長,枝条数は夏肥と追肥の施用量による影響は認められなかった。初秋,晩秋期の最長枝長は一ノ瀬が長く,枝条数はみなみさかりがやや多く再発枝も多かった。2.冬期の先枯れ割合は一ノ瀬では3~5%にすぎなかったか,みなみさかりの再発枝では18~21%と顕著であった。両品種とも晩秋70cm中間伐採は90cmに比べ母条の枯れ込みが多かった。3.3か年平均収量は一ノ瀬では初秋中間伐採が10a当たり2,400~2,500kgと最も多く,みなみさかりでは晩秋90cm中間伐採が2,670~2,780kgと最も多く,施肥割合の影響は認められなかった。秋期収量は両品種で差がなく,一ノ瀬は春期に縮葉細菌病のため減収し年合計も減少した。4.蚕期別収量割合は両品種を通じ,初秋中間伐採では秋期と春期の比は3:7,初秋,晩々秋伐採および晩秋中間伐採では5:5または4:6と秋期の割合が増加した。5.年間10a当たり2,500kg以上の収量(収繭量約120kg)は慣行栽培で達成されたが,収量が逓減する傾向にあり,収量を安定するためには窒素30kg/10a相当の化学肥料の外に1t以上の堆肥を投入する必要があるものと考えられる。