著者
荒井 章司
出版者
静岡大学地球科学教室
雑誌
静岡大学地球科学研究報告 (ISSN:03886298)
巻号頁・発行日
no.20, pp.p175-185, 1994-03
被引用文献数
4

The Circum-Izu Massif Serpentine Belt is a fossil transcurrent plate boundary of the Oligocene-Miocene time beween the Philippine Sea and the Eurasia plates. The Circum-Izu Massif Serpentine Belt encircles the northern end of the Izu Massif, almost parallel to a trace of the present plate boundary, the Sagami Trough and the Suruga Trough. The Circum-Izu Massif serpentinite had been mainly emplaced into or protruded onto the Oligocene-Miocene sediments. The Circum-Izu Massif peridotite, mainly harzburgite, is characterized by the mineral assemblage, olivine (Fo_<90-92>) + opx + cpx + chromian spinel (Cr#, ca. 0.5) +/- plagioclase (An_<90>), and is a low-pressure (ca. 5 kb) restite with or without melt impregnation. It may represent the uppermost mantle of the Shikoku Basin, which had begun opening during Oligo-Miocene, protruded along the transcurrent plate boundary at the northern end of the Philippine Sea plate ( the Shikoku Basin ) , by analogy with the protrusion of abyssal peridotites along the oceanic fracture zone. It had been accreted to the Eurasia plate by the ocean-ward bending of the central Honshu arc during the opening of the Sea of Japan in the Miocene. Detrital chromian spinel grains in the Oligocene-Miocene sediments in the Circum-Izu Massif Serpentine Belt memorize some ancestral peridotites with arc-mantle characteristics which had been protruded in the Belt before the present Circum-Izu Massif serpentinite (peridotite). The ancestral peridotites and dioritic rocks frequently associated with the sepentinites were derived from the deep parts of the Paleo-Izu-Bonin arc, which had been split and disrupted by the Shikoku Basin opening. Picritic basalts of intra-plate type closely associated with the Circum-Izu Massif serpentinite were possibly derived from the mantle plume which had caused the opening..
著者
中原 竜二 海野 進 渡辺 一樹
出版者
静岡大学地球科学教室
雑誌
静岡大学地球科学研究報告 (ISSN:03886298)
巻号頁・発行日
no.18, pp.p25-57, 1992-07
被引用文献数
2

伊豆半島と伊豆大島の間の海底には40ケ所以上の地形的高まりが存在して, そのほとんどは海底火山体と考えられている。1991年4月27日から5月1日にかけて海上保安庁水路部によって, この海域に存在する海山の頂上, 約30ポイントから約60個の火山岩, 砂岩, 火山噴出物と砂などから成る集塊岩などがドレッジされた。Na_2O+K_2O-FeO^*(全FeO)-MgO図(AFM図)で示される全岩化学組成から, ドレッジされた火山岩は, よりアルカリ元素に富み, 低いFe/Mg比をもつ局アルカリソレアイト系列と, よりアルカリ元素に乏しく, 高いFe/Mg比をもつ低アルカリソレアイト系列とに分かれる。両系列はその地球化学的, 岩石学的特徴が, それぞれ東伊豆単成火山群, 伊豆大島火山と似ている。これらの高アルカリソレアイト系列の岩石と東伊豆単成火山群から得られる火山岩は低アルカリソレアイト系列の岩石及び伊豆大島火山から得られる火山岩よりもより高いZr/Y比をもっている。マントルの部分溶融の程度が高いほどZr/Y比は低くなる。したがって高アルカリソレアイト系列の岩石と東伊豆単成火山群の本源マグマは低アルカリソレアイト系列の岩石と伊研大島火山よりもマントルの部分溶融の程度の低いマグマに由来していると思われしる。また, 高アルカリソレアイト系列の岩石と東伊豆単成火山群の岩石のZr/Y比はかなり広い組成領域をもち, マントルの部分溶融の程度にもかなりの差がある。この違いはN-type MORBのソースマントルが4〜10%分別部分溶解を起こすことによって説明できる。Zr/Y比の地域変化を見ると, 東伊豆単成火山群(海底火山も含む)は系統的な分布を示さず, 部分溶解の程度も場所によってさまざまであると思われる。したがって東伊豆単成火山群が同一の部分溶解したマントルダイアピールに由来するというモデルは成立しない。
著者
中原 竜二 海野 進 渡辺 一樹
出版者
静岡大学地球科学教室
雑誌
静岡大学地球科学研究報告 (ISSN:03886298)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.25-57, 1992-07

伊豆半島と伊豆大島の間の海底には40ケ所以上の地形的高まりが存在して, そのほとんどは海底火山体と考えられている。1991年4月27日から5月1日にかけて海上保安庁水路部によって, この海域に存在する海山の頂上, 約30ポイントから約60個の火山岩, 砂岩, 火山噴出物と砂などから成る集塊岩などがドレッジされた。Na_2O+K_2O-FeO^*(全FeO)-MgO図(AFM図)で示される全岩化学組成から, ドレッジされた火山岩は, よりアルカリ元素に富み, 低いFe/Mg比をもつ局アルカリソレアイト系列と, よりアルカリ元素に乏しく, 高いFe/Mg比をもつ低アルカリソレアイト系列とに分かれる。両系列はその地球化学的, 岩石学的特徴が, それぞれ東伊豆単成火山群, 伊豆大島火山と似ている。これらの高アルカリソレアイト系列の岩石と東伊豆単成火山群から得られる火山岩は低アルカリソレアイト系列の岩石及び伊豆大島火山から得られる火山岩よりもより高いZr/Y比をもっている。マントルの部分溶融の程度が高いほどZr/Y比は低くなる。したがって高アルカリソレアイト系列の岩石と東伊豆単成火山群の本源マグマは低アルカリソレアイト系列の岩石と伊研大島火山よりもマントルの部分溶融の程度の低いマグマに由来していると思われしる。また, 高アルカリソレアイト系列の岩石と東伊豆単成火山群の岩石のZr/Y比はかなり広い組成領域をもち, マントルの部分溶融の程度にもかなりの差がある。この違いはN-type MORBのソースマントルが4〜10%分別部分溶解を起こすことによって説明できる。Zr/Y比の地域変化を見ると, 東伊豆単成火山群(海底火山も含む)は系統的な分布を示さず, 部分溶解の程度も場所によってさまざまであると思われる。したがって東伊豆単成火山群が同一の部分溶解したマントルダイアピールに由来するというモデルは成立しない。