著者
柚木 聖
出版者
Japan Pharmaceutical Library Association
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.63-69, 2005

公共図書館による医学・健康情報提供サービスの近年の状況について報告した。公共図書館によるサービスにおいて, 従来の貸出重視から地域の情報提供基盤を目指す方向への変化がみられる点を論じた。実例として東京都立図書館における医療情報コーナーと日本図書館協会の健康肩報研究委員会の活動を紹介した。最後に医学図書館と公共図書館の連携に対する期待を述べた。
著者
細井 宏朗
出版者
Japan Pharmaceutical Library Association
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.277-282, 2007

急速に変化し続けた学術文献の世界において, 特に医療分野を含めたSTM(S: Science, T: Technology, M: Medical)の分野においては, 供給から利用者への浸透も含め電子化がほぼ終了したと思える今日において, プラットフォームがいくつも同時に存在する環境になり, 利用者はおろかサービスを提供する図書館にとっても新たな問題に直面しているというのが現実ではないだろうか。利用者により使いやすい環境を作るという目的からも, プラットフォームの提供から, 複数のプラットフォームを統合して検索するツールや相互にリンクするといったプラットフォーム問を効果的に結びつけるツールの導入は, 図書館のトッププライオリティとなっているのが現実だろう。しかし, 電子化による複数のプラットフォームが存在する状態は何も利用者ばかりでなく, 図書館にとっても大きな課題となっている。そのプラットフォームの導入効果を推し量る利用統計の取得については, 導入したプラットフォームの数が多ければ多いほど図書館の負担が大きくなっているといえるのではないだろうか。今回紹介するScholarlyStats(スカラリー・スタッツ)は, これらプラットフォームのUsage Statistics Portal(利用統計を自動的に集約するオンラインツール)である。つまり, 図書館の負担を軽減することを目的に2006年発表および開始された図書館のためのユニークで画期的なツールである。発表と共にたちまち世界の話題となり, "The International Information Industry Awards"において, 世界の図書館界にその年の最も影響を与えた製品に贈られる2006年度"Best Library Product"賞を受賞した。
著者
伊藤 芳人
出版者
Japan Pharmaceutical Library Association
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.368-373, 2007

2002年, 富山大学附属図書館医薬学図書館では, 利用者サービスの向上と, 図書管理業務の効率化を目的に, ICタグ導入の計画を立てた。その後, 図書へのICタグ貼付作業等の運用準備を進め, 2006年から運用を開始した。ICタグの導入により, 現時点で貸出返却業務および蔵書点検に関する短縮化は可能となった。今後は, ICタグハンディリーダライタに図書捜索機能を取り入れることで可能と成り得る, 配架作業の短縮化や, 資料の複写に関する自動管理を目指している。
著者
植村 八潮
出版者
Japan Pharmaceutical Library Association
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.141-146, 2005

2004年に複数のメーカーから読書専用端末が相次いで市販されたことで, 図書の電子化が話題となっている。しかし, リファレンスや電子ジャーナルでの成果ほどには, 単行本の電子化は成功してはいない。一方, ウェブ, メール, ケータイ, ブログは膨大な文字情報の流通を生み出している。それは〈文字離れ〉ではなく〈文字洪水〉を意味している。図書の電子化を検討する場合, この相反する状況を分析し, その上で文化的・社会的背景を持って成立してきた図書のメディアとしての特性をみておく必要がある。そこで図書を電子化との親和性から分類し, 図書館における今後の課題と対応について検討する。
著者
佐久間 せつ子
出版者
Japan Pharmaceutical Library Association
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.124-130, 2007

医学文献情報を収録する医学中央雑誌データベースについて, その作成プロセスと, インデクシングおよび「医中誌Web」の検索で使用される「医学用語シソーラス」を中心に紹介した。
著者
伊藤 裕之
出版者
Japan Pharmaceutical Library Association
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.270-276, 2007

COUNTER準拠の利用統計レポートをいかに効率的に収集し, その分析に多くの時間を費やすか。COUNTER登場以来の課題に取り組むため, 現在米国情報標準化機構(NISO)のイニシアティブであるSUSHI(Standardized Usage Statistics Harvesting Initiative)が新たにプロトコルの策定を進めている。本稿では, SUSHIの活動およびSUSHIプロトコルの概要を解説し, 電子情報資源管理システム(ERMS)が可能にする利用統計レポートの活用事例もあわせて紹介していく。
著者
福田 尚子
出版者
Japan Pharmaceutical Library Association
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.15-17, 1961

現在, 図書館のある第四号館は, 鉄筋コンクリート造りのY字形三階建の建物で, 上一階は講義室, 1, 小講義 室2, 書庫等, 二階は講義室 3, 三階が閲覧室, 事務室, 書庫となっている。図書館への出入は建物正面にある地上から直接三階に達する, 巾3.5mの階段で行われる。(非常階段は事務室横の正面階段の反対側にある。)<BR>階段を上ると向って右手は, 一般教養科目担当の教授用研究室4と書庫, 左手は閲覧室, 突当りが事務室, 書庫等で, 真中が目録室兼, 休憩室で, 中央に建物と同じくカードケースがY字型におかれ, その後に読モに疲れた者のために, ベンチが用意されている。又各室の外側は, バルコニーとなっている。

1 0 0 0 IR COUNTERについて

著者
加藤 信哉
出版者
Japan Pharmaceutical Library Association
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.258-269, 2007

本稿では, はじめにCOUNTER(Counting Online Usage of NeTworked Electronic Resources)の設置の経緯と概要について簡単に説明する。続いて「雑誌およびデータベース用実施コード(リリース2)」ならびに「図書および参考図書用実施コード(リリース1)」の考え方, 用語定義, 利用レポートの種類について解説し, 2007年5月現在の実施コードの準拠ベンダーおよび準拠ベンダー数の推移を概観する。最後に横断検索や検索エンジンによる利用統計の過剰カウントやインターフェースの利用統計への影響等の課題と監査, 利用ファクター, SUSHIのような新しい動向について紹介する。