著者
多田 昌裕 飯田 克弘 安 時亨 山田 憲浩
出版者
Japan Society of Traffic Engineers
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.A_79-A_87, 2015

<tt>筆者らは,先行研究の事故調書解析によって,接触と追突という異なる形態の事故が高速道路の本線料金所において,どちらも多く発生していることを明らかにした.一方,交通コンフリクト指標として汎く用いられている TTC は,計算の際,各車両を点として扱うために,衝突形態(接触事故,追突事故の別)の判別が困難であるという問題があった.そこで,本研究では車両の大きさを考慮に入れることで,衝突形態を把握できるよう工夫した 2 次元 TTC を用い,西名阪道・柏原 TB の交通流データ(23.5min,845 台)を解析した.その結果,TTC が 3 秒以下となった 11 件の事例のうち,5 件は接触事故,6 件は追突事故の危険性を示唆するものとなり,柏原 TB において接触事故と追突事故,それぞれのリスクを高めるような交通状況が同時に発生していることが明らかとなった. </tt>
著者
日野 泰雄 向井 一雄 水上 和也 森田 隼一
出版者
Japan Society of Traffic Engineers
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.B_18-B_25, 2015

少子高齢化と同時に人口減少が進む中、賑わいづくりもまた、まちづくりの重要な要素となっており、そのためには、特に高齢者を中心に外出機会を提供するとともに、移動のしやすさや同伴移動の推奨などによる移動支援が求められていると考えられる。そこで、本研究では、このような高齢者にとって移動しやすいまちづくりの実現を念頭に、「日曜日同伴者割引」、「通院利便性の向上に合わせた路線バスのコミバス同一区間同一料金」、「高齢化率の高い地区でのフリー乗降サービス」を新たに導入し、利用実態と利用者や市民意識の調査を実施した。その結果、これらのサービスの有用性と今後の展開に向けた課題を抽出することができた。その成果は、今後の高齢化社会におけるまちづくりと一体となったバスサービスの実現の先例を示すものと考えられる。