著者
小中 英嗣
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J103-A, no.2, pp.55-65, 2020-02-01

本研究では大相撲における力士の実力評価手法を検討する.現在運用されている番付制度が他のスポーツのランキング手法でも見られるポイント交換法の変種であることを示し,設計上の制約を指摘する.その制約を解決する手法として,本研究では,ある時点で各力士にその実力を表す一つのパラメータ(レーティングと呼ぶこととする)を想定し,その差がロジスティック回帰モデルを通して勝率を予測するモデルを提案する.実装が容易かつ数値的に安定したアルゴリズムを示し,6場所制定着以降の約58万対戦の結果を利用し,各力士の各場所での実力評価とその予測精度について議論する.これは著者の調査範囲内では最大規模の大相撲に関する統計的研究である.具体的な応用事例として,提案する実力評価手法が間隔尺度であることを活用し,議論を呼ぶことが多い横綱昇進の条件について新たな観点を提供する.

言及状況

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ブログで書き忘れたこと:番付の勝敗予測精度は番付が下がるほど悪くなる傾向です(論文参照).幕下以下の力士は人数も多く,また番付の精度が悪くても困る人が少ないので現在のad hocな方法が続いていると想像されます.(1/n) #spoana https://t.co/BwaIReVLHu
論文が出版されました:大相撲における力士の実力の定量的評価指標の提案 https://t.co/cokp5er3OQ

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