著者
辻井 明日香 笠島 崇 羽多野 裕之 山里 敬也
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.12, pp.918-927, 2022-12-01

超音波を利用したセンサは車載用途や産業用途において障害物の検知センサとしてよく用いられる.一方で,検知距離及び検知速度の問題から駐車支援などの準停止,近距離用途に限られる.本論文では,超音波センサを用いた低速自動運転などに適用可能な障害物位置推定システムの開発を目標とし,短時間で広範囲測定が両立する検知手法を検討する.提案するシステムでは,送信部に検出平面に対して垂直にアレイ化した超音波センサを用いることで,扇状のビームを形成し,目的の範囲を1回の検知で網羅する.実証実験を実施した結果,提案するシステムを用いて20 km/hで走行する障害物(自動車)を15 m先かつ速度誤差約2.2%で検知することに成功した.また,受信センサアレイを用いた多辺測量により位置推定が可能であることを確認した.以上の結果より,提案するシステムは低速走行条件において有効であることを示した.

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