- 著者
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小瀬良 開光
今井 哲朗
北尾 光司郎
須山 聡
- 出版者
- The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
- 巻号頁・発行日
- vol.J106-B, no.9, pp.618-627, 2023-09-01
現在,伝搬損失推定のためのDCNN(Deep Convolutional Neural Network)モデルが検討されている.本モデルは都市構造から伝搬損失に関連する特徴量を自動抽出することで伝搬損失を推定することから,高精度かつ汎用性の高い推定モデルとして期待されている.しかし,その性能は十分に明らかになっていない.本論文では,BS距離マップ(基地局からの距離を要素とするマップ),MS距離マップ(移動局からの距離を要素とするマップ),建物高マップ(建物高を要素とするマップ)の入力に対して,BS距離マップと建物高マップがそれぞれ伝搬損失の距離特性と場所依存特性に大きく寄与していることを明らかにする.また,Grad-CAM(Gradient-weighted Class Activation Mapping)による解析により,DCNNモデルが移動局周辺の“低層建物及び建物の存在しない空間の分布”を伝搬損失推定の判断根拠にしていることを明らかにする.