著者
柴田 拓海 宇都 雅輝
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J106-D, no.1, pp.47-56, 2023-01-01

近年,受検者の多面的な能力を測定する手段の一つとして小論文試験が注目されている.一方で,小論文試験では,採点にかかる人的・時間的なコストが大きいことが問題となる.この問題を解決する手段の一つとして,自動採点のニーズが高まっている.近年では,深層学習を用いた自動採点手法が多数提案され,高い精度を達成している.そのような深層学習自動採点手法の多くは,各小論文に対して単一の全体得点のみを予測するように設計されている.しかし,主に学習評価場面などで自動採点を活用する場合には,受検者に詳細なフィードバックを与えるために,全体得点だけでなく,複数の評価観点別得点も予測したい場合がある.このようなニーズに対応するため,全体得点に加えて複数評価観点に対応する細目得点も同時に予測できるモデルが近年提案されている.しかし,従来モデルは評価観点固有の複雑なニューラルネットワーク層を有しており,得点予測の根拠について解釈性が低いという問題がある.この問題を解決するために,本研究では,多次元項目反応理論を用いて予測根拠の解釈性を高めた複数観点同時自動採点モデルを提案する.

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多次元項目反応理論と深層学習を用いた複数観点同時自動採点手法 https://t.co/a9cUVIO9aN

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