著者
桑原 尚夫 大串 健吾
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:03736091)
巻号頁・発行日
vol.J69-A, no.4, pp.509-517, 1986-04-25

声道特性と音声の個人性との関係を調べるため,ホルマント周波数とバンド幅を独立に制御するピッチ同期分析合成システムを構成し,自然音声に含まれるそれらのパラメータを制御した音声を合成して個人性判断の実験を行なった.その結果,ホルマント周波数,特に第3以下の低次ホルマント,のシフトに関しては個人性は敏感であり,一様シフトに対して5%で個人性が失われる.バンド幅の伸縮に対しては比較的よく保存されるが,第4以上の高次ホルマントの伸縮に敏感である.一様伸縮に対しては5倍あるいは1/5倍以下で完全に個人性が失われる.

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