著者
硴崎 賢一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J75-D1, no.4, pp.241-250, 1992-04-25

本論文では,コンパイラの最適化手法をインタプリタに適合させ,処理速度とメモリ効率を向上させたPROLOGインタプリタの構築法について述べる.このインタプリタでは,インデキシング,レジスタ割当ての最適化,環境生成の抑制などの最適化手法を取り入れることによって性能の向上を図っている.例えば,インデキシングは,述語を動的と静的の2種類に分類し,この分類に基づいて行う方式を提案している.また,組込み述語の特性を利用することによって,複合項の構造複写を抑制し,処理速度とメモリ効率を大幅に向上させることができる最適化方式を提案している.この方式は,インタプリタだけでなくコンパイラにも導入できるため,PROLOG処理系の一般的な手法として広く利用できるという特長がある.試作した処理系では,RISCワークステーション上で従来のインタプリタの4倍程度の40 K LIPSの処理速度が得られると共に,メモリ効率が大幅に向上することを確認した.

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