著者
硴崎賢一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.206-216, 1993-02-15

PROLOGは他の言語処理系と比較してメモリ使用量が多いという問題がある。また、PROLOGの基本操作である単一化処理はメモリのアクセス頻皮が高いために、RISC技術などによるプロセッサの高速化の一方で、キャッシュミスによるメモリアクセスの遅延が、処理速皮を抑制する大きな要因となりつつある、本論文では、PROLOG処理系においてリストの内部表現のメモリ効率を2借に高めるとともに、メモリの参照頻皮を低下させる動的CDRコーディング方武を提案し、その性能評価を示す、本方式は、CDRコーディングの可能性を動的に検査するために、リストの多くの要素をCDRコーディングすることができる。CDRコーディングのための処理項目の増加による遠度低下は、RISCプロセッサの遅延スロットを利用して抑えている、CDRコーディング方式では、従来のCONSによる方式と比較して、メモリ参照の局所性が高くなりキャッシュミスの頻度を小さく抑えられるために、データサイズの大きな倣域では従来方式を越える性能が得られることが明らかになった、
著者
硴崎賢一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.2386-2394, 1993-11-15

本論文では、述語呼び出し時に引数特性を伝達する、単純で効果的なPROLOGの単一化処理の最適化方式を提案する。提案方式では、直接出カ変数と呼ぷ引数の分類と、その分類情報を格納する直接出力変数フラグを導入し、述語呼び出しでその情報を受け渡すことにより最適化を行っている。本方式は、述語単位のコンパイルで述語間の大域的な最適化が行えるという特長を持っており、不必要なデリファレンスやトレイル処理を除去することによって、出カモードの単一化の処理速度を大幅に向上させることができる。append/3での評価により、従来のWAMに封して3.4倍の高速化が行え、58MIPSのワークステーション上で、3.3MLIPSの高い性能が得られることが明らかになった。
著者
硴崎 賢一 上原 邦昭 豊田 順一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第33回, no.プログラミング言語およびソフトウェア工学, pp.497-498, 1986-10-01

人工知能の研究においてPROLOGが広く用いられている。PROLOGは基本的にインタプリタによって実行される言語であるが、大規模なシステムや実用的なシステムを構築するには、コンパイラによる処理の高速化が必須である。筆者らはPROLOGを高速に実行するためのコンパイラの実現手法に関する研究を行っており、実用的な処理系としてスーパーミニコンMV/8000 II上にC-Prologコンパイラを開発している。テールリカージョンの最適化等を行った結果、25K LIPSの処理性能を得ている。本稿では、C-Prologコンパイラで実現しているPROLOGの特性に適した使用方法と、性能評価について報告する。
著者
硴崎 賢一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J75-D1, no.4, pp.241-250, 1992-04-25

本論文では,コンパイラの最適化手法をインタプリタに適合させ,処理速度とメモリ効率を向上させたPROLOGインタプリタの構築法について述べる.このインタプリタでは,インデキシング,レジスタ割当ての最適化,環境生成の抑制などの最適化手法を取り入れることによって性能の向上を図っている.例えば,インデキシングは,述語を動的と静的の2種類に分類し,この分類に基づいて行う方式を提案している.また,組込み述語の特性を利用することによって,複合項の構造複写を抑制し,処理速度とメモリ効率を大幅に向上させることができる最適化方式を提案している.この方式は,インタプリタだけでなくコンパイラにも導入できるため,PROLOG処理系の一般的な手法として広く利用できるという特長がある.試作した処理系では,RISCワークステーション上で従来のインタプリタの4倍程度の40 K LIPSの処理速度が得られると共に,メモリ効率が大幅に向上することを確認した.
著者
硴崎賢一 上原 邦昭 豊田 順一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.347-356, 1989-03-15

本論文では 研究開発や実用的なシステムの構築に適した 高速で利用しやすいPROLOG処理系の実現方式とその評価について述べる.開発した処理系では インタプリタによって実行される述語とコンパイルされ機械語によって直接実行される述語を混在して実行することができる.また 処理系が稼動している状態で プログラムのコンパイルとリンクを述語単位で順次行うことができるインクリメンタル・コンパイル機能を実現している.これらの機能は 述語間の相互呼び出しを管理するディスパッチャと呼ぶ機構によって実現されている.さらに DEC-10 PROLOGなどで問題となっていた コンパイラとインタプリタの単一化のセマンティックスの相異を解消することができる仮想PROLOGマシンの命令セットを提案している.この命令セットは 従来の最適化方式のほかにリスト処理に対する最適化方式を導入しており 高速なコンパイルドコードを生成できるという特徴を持っている.コンパイルドコードは この命令セットを中間コードとして利用し 最適化を施した後にターゲットマシンの機械語に変換して生成している.本処理系はUNIXワークステーション上に実現されており 同じデータ表現法である構造共有法を採用したPROLOGマシン比較して 約2.5倍の85K LIPSの性能が得られている.
著者
越 雄一 上領一郎 荒木 俊輔 硴崎賢一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.121, pp.19-24, 2004-11-26

近年,プラント管理では,保全費用を節減するための保全員やベテラン保全員の定年による引退により,保全に関する知識の消失が急速に進み,保全の質の低下を招いている.また,プラント全体の管理を行う場合,日々増加してゆく保全作業報告書などの書類は,時間が経つにつれて膨大な量となり,有用な情報として管理できない状態を招いている.そこで我々は,少人数でも効果的かつ効率的な保全が行えるように,個別の保全員の知識として管理されていた大量の情報を体系的に管理し,三次元図面をベースとして視覚的に管理・表示する情報システムを提案する.This paper describes a plant maintenance support system using a three-dimensional computer graphics and database system. Our proposed system systematically manages facilities' information including drawings, monitoring data of remote sensors, procedures documents for accidents, and so on. In order for a maintenance engineer to get necessary information of a facility, the system assembles and visualizes information associated with the facility in the 3D model of a plant.