著者
山本 仁志 岡田 勇
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1836-1846, 2011-11-01

集団における規範維持のモデルとしてよく知られたメタ規範ゲームは,N人囚人のジレンマの拡張モデルとして,国際問題における協調問題など中央集権的でない集団においていかに規範を維持するかを検討する上で優れたモデルである.進化論的な分析によって,規範ゲームでは協調は維持されないが,メタ規範ゲームでは協調が維持されることが知られている.しかし近年,メタ規範ゲームがシミュレーションの世代数に対して脆弱であるとの指摘がなされている.我々は,様々なシミュレーション条件における協調の成立条件を精査し,脆弱性のメカニズムを探る.更に我々は,ジレンマ状態にある集団における協調の頑健にするための「社会的ワクチン」を提案し,その効果を検討した.社会的ワクチンとは,集団の中にごく少数の常に裏切り行為をとるエージェントが存在することで,集団全体の規範を高く維持することができる効果をいう.社会的ワクチンを導入することで,協調は広範なパラメータ空間で頑健に維持されることが分かった.

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山本仁志; 岡田勇. 電子情報通信学会論文誌 D, 2011, 94.11: 1836-1846. https://t.co/PYJcaDQSFp 4.社会的ワクチンの導入 "我々は,頑健に協調を維持するための方策として「社会的ワクチン」の導入を提案する.” (続) 39/...

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