著者
篠原 真毅
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J96-B, no.9, pp.881-893, 2013-09-01

19世紀末にPoyntingにより証明され,Teslaが夢見た「コードレスで電気が届く」世界が近づいている.理論的技術的には古くから実現可能であった無線電力伝送は,ユーザが要求するシステムと低コストを実現することがこれまでできず,商用化の展開は21世紀まで待たなければならなかった.無線電力伝送のキー技術の一つはアンテナ技術である.電磁誘導や共鳴(共振)送電ではコイルや共振器を用いるが,アンテナも広い意味では共振器であり,同様に考えられる部分も多い.本論文では電磁波を用いた無線電力伝送や共鳴(共振)というよく用いられる技術区分ではなく,受電整流回路との関係も考慮しながら,送電距離ごとに分け無線電力伝送の理論と技術を解説する.

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