著者
篠原 真毅
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J96-B, no.9, pp.881-893, 2013-09-01

19世紀末にPoyntingにより証明され,Teslaが夢見た「コードレスで電気が届く」世界が近づいている.理論的技術的には古くから実現可能であった無線電力伝送は,ユーザが要求するシステムと低コストを実現することがこれまでできず,商用化の展開は21世紀まで待たなければならなかった.無線電力伝送のキー技術の一つはアンテナ技術である.電磁誘導や共鳴(共振)送電ではコイルや共振器を用いるが,アンテナも広い意味では共振器であり,同様に考えられる部分も多い.本論文では電磁波を用いた無線電力伝送や共鳴(共振)というよく用いられる技術区分ではなく,受電整流回路との関係も考慮しながら,送電距離ごとに分け無線電力伝送の理論と技術を解説する.
著者
松本 紘 篠原 真毅
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.123, no.3, pp.164-167, 2003-03-01 (Released:2008-04-17)
参考文献数
14
著者
石川 容平 松室 堯之 篠原 真毅
出版者
京都大学生存圏研究所
雑誌
生存圏研究 (ISSN:1880649X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.23-38, 2018-11-05

第5次エネルギー基本計画が審議され、平成30年7月3日閣議決定された。パリ合意の影響を強く反映した方針が示され、世界の潮流を見据え、再生可能エネルギーを主力電源とする明確な方向性が打ち出された。2050年の温室効果ガスの削減目標は80%である。本稿では、その具体的達成手法のひとつとして、洋上再エネの最適組み合わせをエネルギー源とする海洋インバースダムと、水素貯蔵システムが協調した200万kWクラスの洋上エネルギーセンター構想を述べる。バックアップ電源が不要で高速需給調整機能を持つ洋上発電所建設は再エネ拡大を牽引する。このような洋上発電所の世界展開には地政学的制限を伴うが、一方でこのシステムは最小規模(20MW)の宇宙太陽発電衛星の地上局を構成するため、地政学的条件に殆ど影響されない究極の宇宙再エネシステム発展の足掛かりとなる。ここでは小型発電衛星の建設可能性と発展性について論じる。宇宙太陽エネルギーは世界の共有資源であり、その賦存量も地上より遥かに大きい。エネルギー利用の冗長性と国際紛争軽減が期待される。
著者
篠原 真毅
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究はマイクロ波によるワイヤレス給電技術を用い、バッテリーレス・電池レスセンサーの実現を目指した研究である。その成果として、1) バッテリーレス・電池レスセンサーに適したマイクロ波を受電・整流するレクテナ(Rectifying Circuit)の開発、特にワイヤレスセンサーの動作状態の変化によっても効率が変動しない反射波利用型RF-DC整流回路と、本広範囲・高効率で動作するRF-DC-DC整流回路の開発, 2) 間欠(パルス)送電による、センサー情報とワイヤレス給電の干渉低減の研究を行い、ワイヤレス給電によるバッテリーレス・電池レスセンサーの開発に成功した。
著者
篠原 真毅
出版者
学士会
雑誌
学士会会報
巻号頁・発行日
vol.2014, no.6, pp.47-59, 2014-11
著者
篠原 真毅
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.137, no.12, pp.841-844, 2017

<p>1.はじめに</p><p>宇宙太陽光発電(Solar Power Satellite:SPS)が世界で注目を集めたのはアメリカNASA(National Aeronautics and Space Administration)/DOE(Department Of Energy)が1980年に発表したSPS reference system<sup>(1)</sup>が初めてではないだろうか。もともと1968年にP. E. Glaser</p>
著者
篠原 真毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.695-699, 2009-08-01
参考文献数
19
被引用文献数
3

私たちの周辺に微弱に分散して存在する様々なエネルギーをあたかも果実を収穫するがごとく利用しようというのがエネルギーハーベスティング(Energy Harvesting)もしくはEnergy Scavenging技術である.私たちの周辺には光・熱・振動・電磁波等,様々なエネルギーが存在する.21世紀に入り,ディジタルデバイスの急速な発展によりmW・μWでも利用できる社会となり,エネルギーハーベスティング技術が注目されるようになってきた.本稿ではマイクロ波を用いた無線電力伝送技術を中心にエネルギーハーベスティング技術の現状を報告する.
著者
篠原 真毅
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

研究目的は(1)パルス発振、(2)変調可能な、PACMの開発である。新たなマグネトロンの開発は行わず、民生用の安価なマグネトロンを用いて外部回路での実現を目指す。我々の研究グループでは注入同期法とPLLによる陽極電流フィードバックを併用した位相(振幅)制御マグネトロンPACMを開発しており,現在までに様々な研究が行っている。しかし,過去の研究では連続波以外での駆動を検討された例が無く,さらに位相制御に約3秒必要であったため,その用途が連続波を用いたエネルギー伝送や加熱用途に限定されるという欠点があった。平成17年度に開発した安定したkHz動作のパルス駆動型位相(振幅)制御マグネトロンに引き続き、平成18年度は位相変調可能な位相(振幅)制御マグネトロンを開発した。本研究においては,位相変調方式としてBPSK(Binary Phase Shift Keying)を採用し,アナログ移相器の位相が0°および180°とになるように移相器を制御した.また位相変調については,位相変調前の基準信号とマグネトロン出力とをミキサ入力としたときのIF出力電圧V_0を観測することにより確認した。実験でアナログ移相器に与えた変調周波数は10kHzである。その結果、位相切り替え後にV_0が大きくオーバーシュートした後,V_0が次第に一定値に安定する様子が観測され,位相変調後におけるPCMの位相安定が確認された。位相切り替え後から位相安定するまでの時間は,最長で36.5μSと計測された。ただし,PCMの過渡応答がアナログ移相器の過渡応答に埋もれた可能性が高く,我々のグループで開発されたPCMがどの程度の位相変調周波数まで追随可能であるかについては計測まで至っていない.今後はアナログ移相器の代わりにリング変調器(ミキサ)等を用いることにより,BPSK変調においてPCMが追随可能な位相変調周波数の計測を行う必要がある.また,BPSK復調器を用いた復調信号観測により実際の通信速度を測定することも今後の課題として挙げられる.
著者
松本 紘 篠原 真毅
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.115, no.4, pp.231-232, 1995-03-20 (Released:2008-04-17)
参考文献数
10