著者
井之上 瑞紀 齊藤 一幸 高橋 応明 伊藤 公一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J97-C, no.5, pp.218-224, 2014-05-01

近年の手術に広く用いられている止血方法の一つに,組織凝固デバイスを用いた手法がある.現在臨床で多く用いられている組織凝固デバイスには,MF帯からHF帯の比較的低い周波数帯の電流を用いた電気メスと,超音波を用いた超音波凝固切開装置がある.これらのデバイスは迅速かつ簡便に止血を行うことができるといった利点があるものの,幾つかの問題点も抱えている.そこで筆者らは,2.45 GHzのマイクロ波を用いた新しい組織凝固デバイスの開発を行った.本論文では,提案するマイクロ波アンテナが組織凝固デバイスとして有用であることを示すため,FDTD法を用いた数値解析による加温特性の評価を行った.更に,実際の使用状況に近い条件下での検討を行うため,ブタを用いた動物実験を行い,提案アンテナが組織凝固及び止血に有効であるかを検討した.その結果,提案するマイクロ波アンテナは組織凝固デバイスとしての機能を十分に果たすことを確認した.

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