- 著者
-
西野 宏
- 出版者
- 医学書院
- 雑誌
- 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 (ISSN:09143491)
- 巻号頁・発行日
- vol.87, no.2, pp.158-163, 2015-02-20
POINT
●深頸部膿瘍は,気道狭窄,縦隔炎,敗血症などの合併症をきたし,死に至る可能性がある。頸部の腫脹と圧痛,皮膚の発赤を認めた場合,深頸部膿瘍の存在を強く疑う。
●発症の原因は歯性感染,抜歯,扁桃周囲膿瘍,唾石症による顎下腺炎,耳下腺炎,外傷(異物,内視鏡検査)がある。
●造影CTの撮影範囲は頸部から横隔膜のレベルまで撮影する。
●広域の感受性を示す抗菌薬を投与し,膿瘍腔の開放排膿処置のタイミングを逃さない。