著者
大沼 すみ 竹川 清 岡島 光也 川口 とし子 大沢 純子 北村 和子 池澤 善郎
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚科 (ISSN:00214973)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.597-601, 1997-07-01

過去4年間にラノリン製剤による接触皮膚炎を23例経験した.男性6例,女性17例.平均年齢は35.6歳であった.基礎疾患はアトピー性皮膚炎が最も多く,18例,78%を占めた.基礎疾患の罹病期間は平均10.8年と長くなっていた.原因薬剤はアズノール軟膏が最も多く15例,次いでアンダーム軟膏が10例であった.1995年の当科におけるラノリン,ラノリンアルコールのパッチテスト陽性率は4.5%であった.基礎疾患の約8割を占めたアトピー性皮膚炎では,総IgEが4桁の症例が最も多く,罹病期間も平均13.3年と長くなっていた.また,顔面の皮疹を伴う症例が大半を占め,原因薬剤の使用部位も顔面が最も多くなっていた.ラノリン製剤は種々の医薬外用剤,化粧品に含まれているが,重症,難治性で顔面に皮疹があるアトピー性皮膚炎の症例では,ラノリン製剤の接触皮膚炎を疑って,パッチテストを行うことが望ましいと思われた.

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ラノリン製剤による接触皮膚炎—自験23例の臨床的検討 (臨床皮膚科 51巻8号) | 医書.jp レアケースなのかしら?アズノールは知らなかった

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