著者
宍戸-原 由紀子 内原 俊記 三條 伸夫
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.479-488, 2016-04-01

進行性多巣性白質脳症(PML)は,宿主の免疫低下に伴いJCウイルスが再活性化して起こる脱髄脳症である。臨床的に免疫低下の原因が不明瞭で,髄液ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)でウイルス陰性でもなお,画像上PMLの可能性を否定できず脳生検を施行する場合がある。こうした症例では,病理診断の指標となる典型的な核内ウイルス封入体を有する細胞に乏しく,高度な炎症細胞浸潤を伴う場合がある。JCウイルスに対する宿主免疫応答が保たれている状態と考えられ,予後は良好である。本稿では,炎症反応を伴ったPMLについて,近年問題となっている免疫再構築症候群も含め,概説する。

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炎症反応を伴った進行性多巣性白質脳症—免疫不全の原因の多様性と病理所見 (BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 68巻4号) | 医書.jp https://t.co/ILJgeNPxdD

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