- 著者
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佐藤 暢
- 出版者
- 医学書院
- 雑誌
- 病院 (ISSN:03852377)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.10, pp.864-868, 1988-10-01
はじめに 昨年12月22日と24日に国立嬉野病院(佐賀県)で起きた医療ガス配管ミスによる死亡事故について,その原因を巡って様々な報道がなされてから既に半年が経過して,警察の調査も終わり厚生省も漸く対応策をまとめたので,この際,問題点を振り返ってみた上で,このような悲惨な事故がなぜ繰り返されるのか,もう二度と起こさないための方策を探りたい. この事故は,手術室の天井裏にある換気用通気管の工事に伴って,邪魔になった医療ガス用の配管を移設した際,酸素と笑気の配管をつなぎ間違えた単純なミスによる(図1).しかし,2本の配管を逆に連結する工事ミスが起きて,しかも3日間も気づかなかったので,2人も患者が死亡した裏には複雑な背景がある.