著者
坂田 善政 吉野 眞理子
出版者
日本言語聴覚士協会
雑誌
言語聴覚研究 (ISSN:13495828)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.77-86, 2016-06-15

吃音を主訴として来院した3歳8か月の女児に,環境調整法による指導を約4か月間行ったものの吃音が持続した.その後リッカム・プログラムを導入したところ順調に改善し,導入後6か月でStage 2に入り,その11か月後にはStage 2を終了した. 本症例の経過から,(1)リッカム・プログラムは本症例に対して一定の効果があったと考えられること,(2)まず環境調整法を一定期間行い,それに続く形でリッカム・プログラムを導入した点が本症例には有効であったと考えられること,(3)リッカム・プログラムの重症度評定尺度における“no stuttering”の日本語訳については「吃音とはいえない」という訳も考えられること,(4)Stage 1終了が近づいた時期には,保護者による重症度の評定値と臨床家による評定値の違いに対して,臨床家はより厳格になる必要があること,の4点を考察した.

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