著者
西村 香織
出版者
日本経営学会
雑誌
經營學論集 第86集 株式会社の本質を問う-21世紀の企業像 (ISSN:24322237)
巻号頁・発行日
pp.F9-1-F9-9, 2016 (Released:2019-10-01)

人々が協働するときには,それぞれの異なる考え方にいかに対応し,それをまとめていくのかが重要な課題となってくる。しかも,組織や社会をとりまく環境は常に変化しており,組織のマネジメントは,その変化に応じていかなければならない。M. P.フォレットは,相異する考えから統一的解決を導き出し,同時に新たな多様性を創発させていく過程を,統合の過程として示した。そして,統合とは思考の統合としてあるのではなく,活動の統合としてあると捉え,関係し合うおのおのの主体的な経験によって統合が実現していくことを明らかにしたのである。フォレットは,経験の本質を,人間の可能性および新しい形態の喚起にあると捉える。すなわち,経験において人々の概念が知覚されたものと統合されて自律的に展開し,そこから新たな可能性や関係性が喚起されていくと捉えるのである。こうしたフォレットの経験と統合の理解は,現代組織のマネジメントに対しても,従来の考え方の行き詰まりを超える新たな活動の枠組みを示唆するものであると考えられる。

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メアリー.P.フォレット読んでたら樹皮とかコケとかを観察したくなり、ふらっと。 J-STAGE Articles - (09)M. P.フォレットにおける経験と統合 https://t.co/pWr02myLAe https://t.co/0xpwIpUM4f

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