- 著者
-
岩本 佳世
丹治 敬之
野呂 文行
- 出版者
- 障害科学学会
- 雑誌
- 障害科学研究 (ISSN:18815812)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.1, pp.1-13, 2016-03-31 (Released:2017-07-20)
- 参考文献数
- 25
本研究は、自閉スペクトラム症幼児に対する刺激等価性の枠組みを用いた感情語の指導において、他者感情理解の刺激モダリティ間での般化を確認した後に、自己感情表出への派生効果を検討することを目的とした。プレポストデザインを用いた。大学内のプレイルームで実施された。他者感情理解の指導は、「喜び」「怒り」「悲しみ」「恐れ」の感情に対応する状況画を提示し、「どんな気持ち?」という質問をして感情語(音声)による回答を求めた。他者感情理解は、表情画、感情語(音声)、状況画、状況画の寸劇で測定した。自己感情表出は、セッション内で測定し、ゲームで勝ったあるいは負けた後などに、「どんな気持ち?」という質問をした。その結果、他者感情理解の刺激モダリティ間での般化および自己感情表出への派生効果が示された。自己感情表出の必要条件としての環境条件の設定が、本指導手続きに組み込まれていたことで、刺激般化が生じたと考えられた。