著者
岩尾 俊兵 前川 諒樹
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.341-350, 2016-06-25 (Released:2017-02-25)
参考文献数
25

Thompson (1965) は、既存の官僚制組織が仕事を細分化・専門化させることで企業の生産性を向上させると同時に、仕事の過度な細分化を生じさせイノベーションを阻害する可能性があると指摘した論文である。しかしながら、Thompsonの議論は官僚制組織 (官僚的な組織) と創造性を単なる対立関係にあると想定したものではなく、官僚制組織にいくらかの修正を加えることで生産性と創造性が両立できるのではないかと論じている。たとえば、この論文では、官僚制組織において創造性を担保する役割がプロフェッショナルに求められており、イノベーティブな活動に従事するそのようなプロフェッショナルを処遇するには単線評価でなく総合評価がよく、仕事自体の面白さによって内発的動機づけが行われる必要があるという。

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1965年に研究されてるやん 官僚制はイノベーションを阻害するのか? https://t.co/9qOCba6RsI
経営学輪講「官僚制はイノベーションを阻害するのか?」が面白い。 官僚的組織は、階層構造の最上位に位置する人のみが「正統性」を持ち、労働者は「外発的動機づけ」を与えられるだけで「内発的動機づけ」を持たないので、それがイノベーションを阻害してしまう。https://t.co/3e0tagejhM

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