- 著者
-
鈴木 恵子
岡本 牧人
鈴木 牧彦
佐野 肇
原 由紀
井上 理絵
大沼 幸恵
- 出版者
- 一般社団法人 日本聴覚医学会
- 雑誌
- AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.3, pp.226-233, 2013-06-30 (Released:2013-12-05)
- 参考文献数
- 14
要旨: 『きこえについての質問紙2002』 の 「コミュニケーションストラテジー」 尺度への難聴者482例 (補聴前) の回答を分析した結果; 1. 因子分析により 「要請型ストラテジー」 と 「自助型ストラテジー」 の2因子が抽出された。2. 高齢群では重症度が軽いとストラテジーを活用しにくいが, 若年群では重症度による差がなかった。3. 年齢群間, 群内の比較ともに, 概して高齢群は 「要請型ストラテジー」 に, 若年群は 「自助型ストラテジー」 に頼る傾向が強かった。4. 主観的な 「聞こえにくさ」 が強い例 (スコア3.5以上) が, ストラテジーをより頻繁に用いていた。5. 高齢群で 「心理社会的影響」 が大きい程, 「自助型ストラテジー」 を頻繁に用いていた。これらの結果をもとにライフステージとストラテジー活用の関係を考察し, 若年者におけるより意識的なストラテジーの活用, および軽度・軽中等度高齢者における 「自助型ストラテジー」 の活用を促す介入の重要性を指摘した。