著者
中下 留美子 鈴木 彌生子 伊永 隆史 渡辺 伸枝 田中 公一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1023-1028, 2009 (Released:2010-01-25)
参考文献数
22
被引用文献数
9 4

炭素・窒素・酸素安定同位体比質量分析法を用いて,日本国内に流通している牛肉の産地判別の可能性について検討した.牛肉の各元素の安定同位体比は,品種の違いよりも肥育環境(肥育地及び餌)の違いを反映していた.国産及び輸入(豪州産・米国産・ニュージーランド産)牛肉の炭素安定同位体比は,米国産,国産,豪州産,ニュージーランド産の順に高い値を示し,酸素安定同位体比は,豪州産が国産,米国産,ニュージーランド産より高い値を示した.国内4地域(沖縄,三重,山形,北海道)から収集した牛肉については,炭素・窒素安定同位体比はどの地域も同様の値を示したが,酸素安定同位体比は地域によって異なり,高緯度地域ほど低い値を示した.以上のことから,安定同位体比質量分析法により,輸入牛肉と国産牛肉の判別だけでなく,国産牛肉についても,緯度が大きく離れているものについては判別できる可能性が示唆された.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (72 users, 73 posts, 44 favorites)

・縄文時代は北日本では魚や大型海獣に強く依存していた可能性 ・西日本沿岸は東日本沿岸より肉食気味だった可能性 ・本州内陸部ではあんまり肉も魚も食えなかった可能性 窒素同位体を利用した 生態系解析法の展開 #日本人は菜食 #北日本 #海獣 #クジラ #魚 #西日本沿岸 #魚 https://t.co/Z59nnhjksJ https://t.co/VrU41n4gNi
1 1 https://t.co/S0NbptP0Dd
安定同位体比分析による日本国内に流通する牛肉の産地判別 https://t.co/n0rAgQm9F5 酸素安定同位体比は地域によって異なり,高緯度地域ほど低い値。輸入牛肉と国産牛肉の判別だけでなく,国産牛肉についても,緯度が大きく離れているものについては判別できる可能性

収集済み URL リスト